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INTERVIEW

インタビュー

海外語学研修でお世話になったJTB水野さんにインタビュー

今年も、7/22に2024年度の「海外語学研修」に27名が参加しました。
それぞれの想いを胸に、3週間の研修を終え、27名がさまざまな経験や多くの学びを得た海外研修となりました。

当会の海外語学研修は、2003年度より始まり、今年で19回目となりました。(コロナにより中止年度あり)20年以上、こうして充実した海外語学研修を続けることができるのも、多くのあしながおじさんのおかげであることを改めて感謝申し上げます。

この海外語学研修で、20年以上変わらずお世話になっている添乗員さんがいらっしゃいます。初回より変わらず株式会社J&Jソリューションズ ツアーコンダクターの水野さんにサポートしていただいております。

今回初めてお話を伺う機会をいただき、毎年「海外語学研修」に添乗員として同行し、3週間の期間中、現地で学生をサポートしてくださっているツアーコンダクターの水野さんにお話を伺います。

INTERVIEW

/まず最初に、水野さんご自身の海外との接点や、ツアーコンダクターというご職業への道のりなどについてお話をお伺いしました。//

水野さんは、東京下町生まれの下町育ち。大学では工学部で精密機器の専門で学ばれたり、バンドの活動をして学生時代を順調に過ごされていたそうです。そんな中「このままでいいのかな」「もっと違う世界を見てみたい」という冒険心と「自分にとっての新しい何か」を求め、ワーキングホリデーを利用しオーストラリアに留学されたそうです。1年間のオーストラリア留学の中で、本当にたくさんの出会いや、出来事、日本では起こり得なかった大変なことや、感動、良かったこともたくさん経験されて、帰国後就職活動で目についたのが「添乗員」という職業だったそうです。

「タダで旅行に行けて、お金がもらえるなんて、なんていい仕事だ!と思ったんですよ。最初はね…(笑)。」とお話しされる水野さん。

添乗員さんというお仕事は、多ければ年間200日以上も海外に行かなければならなかったり、家族の理解や、体力も必要なお仕事です。ただ「旅行が好き」「海外が好き」だけでは続けることができないご苦労や、緊張感もあるそうです。水野さんは、ツアーコンダクターとしてそんなさまざまな経験を重ねられ、現在では企業やスポーツ団体のアテンド、修学旅行、短期留学はもちろん、オリンピックなど世界的なスポーツ大会での海外・国内滞在中における手配や、選手サポートなどのお仕事もされているそうです。

 

/そんな水野さんにとって、「ツアーコンダクター(添乗員)」というご職業の一番の魅力についてお伺いしました。//

「いろいろな人に出会い、新しい発見ができることです。」と水野さん。
何事もなく無事にというところがもちろん一番なことなのですが、しかしトラブルや問題は旅につきもので、その時に解決することが添乗員さんの重要なタスクだそうです。そして、毎回の旅ごとに対応しなければならないトラブルやご苦労なこともありながらも、それを超えて、普通では出会えない人に会えたり、刺激をもらったり発見できることが、魅力に感じている点だとおっしゃられていました。当会の学生たちとも、ちょっとした会話の中で、新しいアプリを教えてもらったり、今の若い世代の感覚や考え方、発想にも触れることができ、こちらが勉強になることもあるんですよ。とおっしゃられていました。

 

/添乗員として30人近くの学生を預かる上で大切に思うことや、この20年間通して感じておられることを教えてください。//

「とにかくコミュニケーションを大切にすることを実践して、いろいろな発見をしてみてほしいと思ってます。」と水野さん。トラブルや、災害など、何があるかわからない中、送り出していただいたお子様たちを無事に連れて帰国することはもちろん一番の使命なのですが、やはり海外研修の醍醐味である、普通では出会いない人との出会いを楽しみ、自分から質問して、とにかくコミュニケーションをとることの大切さ、何か問題が起きても解決できる、なんとかなる、ということも感じてもらえたら、と考えながら学生たちと接しておられるそうです。

この語学研修は、基本的にホームステイなので、3週間という期間の中でホストファミリーとの関わりがあります。拙い英語でもいい、コミュニケーションをたくさんとって、日常を楽しむことができるかどうか、心配しながらもそっと見守られているそうです。最初の1週間は緊張しながらも徐々に慣れて来て、2週間目は明るさも出てくる、学校の昼休みにはスポーツや音楽を通して、自然と地元の学生や子供たちと遊ぶことができるようになって来たりもするそうです。そうすると遊びの場でも、言葉がお互いうまく通じなくてちょっとぎこちない場面が見受けられることも。そんな時も、水野さんは「どうしたの?」という介入するようなサポートは基本的にされないそうです。「それを手助けしてしまっては意味がないですから。」と水野さん。この3週間では、とにかく自分からコミュニケーションをとってみる。自分で問題解決もしてみる。時間をかけてでも調べて自分で伝えてみる。ということを体験していく中で、充実した時間が増えてくる様子が見受けられるようになるそうです。

今回の3週間の間にも、嬉しい光景が見られたそうです。学生たちが、海岸でビーチバレーをして遊んでいた時に、自然と地元の人たちとのコミュニケーションが生まれ、わいわい一緒にビーチバレーをして楽しむという時間ができたそうです。

「それは、とっても素晴らしい良い光景でした。」とあたたかい笑顔の水野さん。

/最後に、この経験を活かし大切にしてほしいことについて、伺いました。//

「海外の人と言語を話す機会があれば、自分からコミュニケーションをとる、とにかく考えるよりもまず話してみること。どんどん自分からコミュニケーションをとってみることを実践してほしいですね。」と水野さん。また、自分の趣味や得意なことも大切にしてほしいですね、とおっしゃられていました。「趣味や得意なことでの会話は特に広がります。何が好きで、何に興味があるか。自分のことを話して、そして相手のことも聞いて知っていく。そして友達ができる。自分の感性や個性を大切にしながら、相手もリスペクトするということ、それを大切に、これからいろいろなことを経験してくださるといいですね。」とのこと。そして、「今回の研修が“いつか自分の力で海外へ行ってみたい、本気で留学してみたい”という夢やきかっけになったら嬉しいです。」と、おっしゃられていました。


お話を伺っている最中もずっと笑顔でお答えくださった水野さん。3週間を通し、プロフェッショナルとして研修に寄り添い、子ども達の学びや成長を見守り、こうして毎年あたたかくサポートしてくださっているのだなと感じます。

また、こんなエピソードも聞かせていただきました。当会の海外語学研修に参加した卒業生に、水野さんと同じ会社へ入社し、なんと同じ職業の添乗員になった学生もいるそうです。「挨拶に来てくれて、そりゃもう嬉しかったですね。」と水野さん。この海外語学研修で学生たちが、語学だけでなく、働く大人の姿を間近で見る経験や、いろいろな広い世界について興味を持つなど、きっかけを持つ体験ができたのではないでしょうか。水野さんもその貴重な出会いの一部になっていることと思います。

水野さん改めて、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

取材ご協力:株式会社JTB 営業第一課 様 株式会社J&Jヒューマンソリューションズ 東日本事業部 様

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