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VOICE

高校奨学生の声

2025.07.08
高校奨学生の声

人に教えることで
相手も自分も成長
全力で教員目指す

3年 中谷 雄大
2年生の1年間は、後悔のない1年を過ごしたと思います。(通信制の)学校行事で一番の思い出は修学旅行でした。初めて一人で東京へ行き、そこから近県にある本校へ行きました。初めて会う人がたくさんいて緊張しました。ホテルでは、全員が初対面で3日も過ごせるのかなと不安になりました。でも、食事やお風呂などで話をしたりして仲が深まり、寝る前に大富豪をして笑い合いました。今でもずっと覚えています。住んでいる県が離れていて、もう会えないのかなと悲しかったですが、学校生活で一番の思い出となりました。後悔のないようにたくさん話し、笑い、全力で楽しんでよかったと心から思っています。
 将来の夢についても、自分はこれになりたい、という職業が見つかりました。僕は教員になることを決意しました。インターネット上で人に勉強を教えたりして、「点数が上がった」と嬉しそうにしている姿を見て、教えてよかったと思ったり、感謝されることが自分にとっても嬉しかったし、(教えることが)好きと思えたからです。
 自分は自己評価が低く、自分を好きではありませんでした。でも、他人に教えるにつれ自分も相手も一緒に成長できる、頼ってもらえるという気持ちがたくさん湧きました。その気持ちから、自分は誰かに必要な人になりたいと思いました。ただの承認欲求でも、教員を目指そうと思えたことに自分自身に感謝しています。デイサービスでも勉強を教えて先生から褒められ、やっていてよかったと、教員になることをあきらめたくない気持ちは以前より強くなりました。
 大学受験では教育学部を目指しています。全力で勉強に励み、合格を勝ち取ってみせます。夢に向かって頑張っていきます。
(大阪府)

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野球部「最後の夏」
「人間力」を磨いて
亡き友と甲子園へ

3年 Y・H
 この1年間の学校生活を振り返ると、野球部の部活動で3年生が引退し、自分たちに代替わりしました。そして冬の練習も終わった今、自分たちの部活の期間も残すところ数か月となっています。
 この期間は今までの野球人生で最も濃く、大切な時間にしたいと思っています。そのために、朝は早出をしてバッティングを磨いています。最後の夏の大会で後悔がないように、そして甲子園に行けるように頑張りたいです。
もう一つ、監督が一番大切にしている「人間力」を自分も大切にしたいです。毎日のミーティングで、監督はこの人間力について話してくれます。監督は指導者の誰よりも早く練習前にグラウンドに来て掃除や片付けをしています。そして、「今に限らず、謙虚な人間性は、この先社会に出た時にも通用する」と毎日、おっしゃっています。本当にその通りだ、と自分は思っています。そんなところを自分も人として大切にしたいです。
 今年の初め、同級生のチームメートが闘病の末、天国に旅立ちました。彼とはとても仲が良く、休みの日には一緒に甘いものやごはんを食べに行ったり、よく一緒にいました。野球がしたくてもできなかった、ユニホームが着たくても着ることができなかった、あいつと一緒に甲子園に行きたいです。甲子園で笑顔で野球をする自分たちを見てほしいです。
 今はそのために毎日、グラウンドで大声で練習をしています。野球部七十八代目になる自分たちは必ず甲子園に行きます。
(福岡県)

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